2015年2月15日日曜日

page2015まとめ その2(paper-webについて)

page2015のまとめ その2です。
組合の会報記事へそのままスライドするための草稿です。

その1では、カンファレンスとクリエイティブゾーンの事を書いたので、今回は、「紙面を1分でWEBへ!paper-web」について。

paper-webとは


WPS.3ユーザーであり今回共同出展企業のしずおかオンラインさん(以下SOL)の新しいサービスです。
貯まったデータをWEBやアプリなどへデータ配信ができるシステムです。


今回は、同社編集発行のフリーペーパー「womo」から「womoアプリ」へのコンテンツ配信の事例をデモ発表しました。

本の情報を上手に活用できていますか?


本の編集・制作の効率化も課題ですが、コンテンツを効率良く活用することも大きな課題です。
どこでもやりたいことは、下記のイメージです。
この業界(ほとんどは本作りからコンテンツ制作がスタートするので、そちらを基点として考えます。)でデータ活用というと、
  • DTPから書き出して、
  • 決められたフォーマットの
  • CSVやエクセルにして渡す
という事がよくあります。
しかし、
  • 何に使われるかよく解らない(渡す側)
  • 100%の保証もない(渡す側、使う側)
  • 使えたのかどうかもわからない(渡す側)
  • 最終データがPDFならコピペするか(使う側)
と、折角データとしてDTPデータがあるわけですから、使わないのはもったいないのですが、とても不安定であり、渡す側にも、使う側にもしっくりこない作業です。

データ活用の裏事情


大抵の場合、思い通りスルッといかないわけなので、データ加工には、人による膨大な作業が存在します。手動DTPである以上、機械的に抽出をかけるのは困難なので、コピペしたりしながらデータを作り、場合によっては要求された形に加工をします。
さらに、そこにも人の手作業が発生すれば、校正も必要となります。
紙とWEBが違うじゃないか、と言われても、人がコピペしたり、加工しているのだから、仕方ないとしかいいようがありません。100%は約束できないものです。
であれば、そうならないシステムを組みましょう、はい、◯◯◯◯万円です、はい、無理です、なんでもいいので正しいデータをください、・・・となるわけです。
もっとよい方法があると分かっている人にとっては、苦痛でしかありません。
どんな仕事でも過酷な作業はあると思いますが、時間とコストを浪費していく将来の見えない無意味な作業はそのうち誰もやってくれなくなります。
このような裏事情をなくすためには、「もっとよい方法」を導き出さなければいけません。

紙とWEBの壁は人にある


例えばデータ活用する人たちを「WEBの人」とした場合、「紙の人」と「WEBの人」の意志の疎通が出来ていないことに問題があると思います。
構造的に部署が違うということもあります。また、「制作」ということ自体の考え方も違います。この両者をうまく繋ぎ合わせるには、紙もWEBも関係なく「データを中心に考える」ことが必要です。ただ、現実的にそういうハイブリッドな人はなかなかいないので、その中間を担う人(またはチーム)が必要となります。

WEB-APIを使ったデータ活用


paper-webは、NCとSOLの両側において「データを中心に考える」という意識を持って進めた結果、構想から二ヶ月余りでひとつの形となりました。
データはどこにあるか?NCが提供する自動組版システムWPS.3にあります。
使いたいデータは何か?コンテンツホルダーであるSOLが一番良く知っています。
であれば、SOL側がWPS.3にある欲しい情報を取り出せるようにAPIをNCで準備しました。
SOL側(paper-web)は、「◯◯号の◯◯カテゴリのデータが欲しい」と問い合わせすれば、WPS.3が「はい、これどうぞ」と返してくれるわけです。
ものすごく単純な話ですが、お互いが「データの居場所」をしっかり認識していれば、ものすごくスムーズに紙とWEBの連携が実現する、というとても良い事例となりました。

このように、紙とWEBの連動や、コンテンツデータの活用を考える際、今あるデータが取り出しやすい状態にあるか、というところから見直してみると、活用の実現だけでなく、全体的な業務効率化にも繫がります。
WPS.3、paper-webを是非参考にしてみてください。



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