2015年2月24日火曜日

第35回DTPの勉強部屋で「まとめて解る!InDesign自動化の全て」を再演してきました〜その1

1年ぐらいご無沙汰していたDTPの勉強部屋に行ってきました。

page2015のAdobeクリエイティブセミナーで講演した「まとめて解る!InDesign自動化の全て」を再演してきました。聞いていただいた方々ありがとうございました。


時間を30分に圧縮して駆け足だったので、少し解説を付け足したいと思います。
(書き始めたら量が多くなってしまったので、数回に分けます)

※後述でも紹介していますが、dproofsのクーポンコードを当日配布しました。
 使い方は、dproofsクーポンコードの使い方を参照してください。

今回「その1」では、以下を補足します。
  • はじめに
  • 段落・文字スタイル
  • ワード取り込み
  • タグ付きテキストデータの取り込み

…が、その前に、「フォーマットをつくる」を講義していただいた鈴木誠一先生のかつてのインタビュー記事にあった「資本主義が消費をあくまでも拡大し続けるのであれば,人間をどんどんわがままにしていく宿命を持っている。なるほどと思い…(引用:インタビュー 鈴木一誌氏に聞く『知恵蔵裁判全記録』「思想的事件」の全貌)」)」を読んだときに、自動化というものが、ただ趣味趣向のお遊び、やれたらやる、という類のものではなく、「やるべきものである」ということがしっくりきました。この辺りは、また別で書こうと思います。

1. はじめに

今回のテーマは、
  • InDesignの自動化機能を知る
  • InDesignを触らない人にも知ってもらうことでメリットが活かされる
  • 自動化の先に何があるか
と、だいたいこんなところです。


InDesignを上手く使って、時間とお金を獲得しようぜ、ということなんですが、 そのためには、DTPオペだけだ知っている、使っているというより、営業も機能を知れば「こう作ろう」「こう直そう」「こういうデータをお客さんからもらおう」と考えることができたり、校正者も作り方がわかれば「ここを見れば良い」「こういう指示をすればいい」となり、それは効率化に繫がるはずです。

2. 段落・文字スタイル

レイアウトソフトにおいて、とても基本的なことですが、word(よく知らないけど)なんかに比べると、組版作業を楽にしてくれるようになってます。
大昔のソフトには、スタイルという概念は無かったですが、タグやファンクションといったものがそれをなしていたのでしょう。
今回は例として、ドキュメント内の特定の文字列に対してスタイルを当てられる正規表現スタイルや、自動番号付き箇条書きなどを紹介しました。設定しておけばInDesignが勝手にやってくれるので、できる限り組版作業のルール(仕様)をこのスタイルの中に入れてしまいましょう、ということです。


そのためには、前段の見本組などの仕込みとお客さんも含む理解が重要ですね。
ポイントは、この設定でいける範囲に仕様を絞り込まないと、ここからはみ出たところは手作業であり、リスクを伴うよ、ということがあります。

3. ワード取り込み(リッチテキスト取り込み)

ワードでもらって、InDesignに取り込んで、またワードで返して、InDesignに取り込み直す、という夢のようなことが果たしてできるのか?
今回は、この機能の精度がどんなものか実際InDesignを動かしながら皆さんと一緒に確認してみました。
  1. まず、完成したドキュメントからリッチテキスト形式で書き出す
  2. 検証用にpdfを書き出す
  3. リッチテキストをwordで開き、doc保存(とりあえず何もせず)
  4.  「3」のデータをInDesignに取り込み(配置)
  5. pdfを書き出して、dproofsでチェック
この機能を信用できるかという質問を会場でしてみたところ、半数以上が信用しないということでした。
実際、取り込む時のオプションやテクニックが若干必要なわけですが、ちょっと当日は時間がなかったので、正解も解説しておきます。
上記1〜5の結果のPDFをdproofsにかけて出た差分が以下です。(ドキュメントは2と同じ)

なんか、違いますね。これが当日見せたものですが、以前YUJIさんの紹介記事にもあったような気がするのですが、スタイルパネルで「オーバーライドを消去」した結果が以下です。
「No Diff!」なので、違いなしです。
だから、100%信用していいよ、というわけではないですが、wordというアプリのバージョンとかOSとか、色々あるので、このように検証して、使い処によっては使える機能として知っておいた方がよいと思います。

4. タグ付きデータの取り込み

昔からレイアウトソフトにはテキストデータにタグを付けて、流し込むときに自動で設定させる機能があります。というか、ウン百万する組版ソフト達は、一人一台なんて大変だったので、そもそもそれを前提としていたと思います。
画面上でテキストを選択して、こちこちスタイルを付けるのではなく、
  • 行頭にといったタグをいれる
  • テキストフレームに配置
すれば、勝手にスタイルが付いてくれます。

これらのタグは、InDesign用となります。他にも色々タグがあるので、それを見たかったら、タグ付きテキスト書き出しをして調べてください。

これの何が良いかというと、InDesignが入っていないPCでも作業ができる、という点です。原稿がどっと入ってくるというようなことはよくあることなので、InDesignが足りないなと思ったら、テキスト作業を他の人にやってもらう、という方法がある、ということです。
pstyleとか入力間違えしやすいので、「★見出し★」とかで代用するとか、よくやりますね。

その1のまとめ

当日言わなかったですが、InDesignのこの機能を使ったら、こうなった、使えねえとか、そういう考えを減らしたい。
InDesign信者でも何でもないですが、そもそも月5,000円ぐらい?、そんな金額で手に入るようなソフトウェアであって、ソフトウェアを作る側からすると、だったらもっと高級なソフト買え、となるでしょう。
でも今はもう無理ですね。印刷業界のワガママに飽きて開発側が手を引いてしまっている。
こういう事態になっていることをよく理解して、もっとInDesignをシンプルに使って可能な範囲はここ、って割り切ってやることや、dproofsなどその他のツールを使って検証することも自動化や効率化に繫がる考えだと思います。

次回以降は…

  • データ結合
  • XML取り込み
  • 検索置換
  • スクリプト
  • もっと効率化できないか、の考察
  • 完全自動組版はアリなのか?
  • IDMLについて
  • IDMLでライトなWEB自動組版を
  • 自動化のその先
となります。

書き切れるのかしら。。。

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