平日にもかかわらずご参加いただいた皆様、講師の方々に、この場を借りて感謝申し上げます。
理央周さんと坂本貴史さんをお迎えしての開催となった今回は、「クロスメディアを考えよう」という大きなテーマに、また一歩近付けたのではないかと思います。
カンファレンスというものが単なる個人のスキルアップのためのセミナーではなく、社会全体の中で私たちの仕事が何であるか、何をすべきかということを考える良い機会となったのではないかと思います。
1. 基調講演「顧客視点への転換によるこれからのマーケティング」(理央周さん)
個人的にも理央さんの人柄がとても好きで、お話を聞いていると、大学で講義を受ける学生のような気持ちになります。かといって、難しい話をされるわけではなく、私たちに近い等身大でお話いただけるのはとてもありがたいことです。
マーケティングというとその範囲は広いので、聞く人たちが期待するポイントは様々です。
80分という短い時間の中で、たくさんの人に一様にお話をして、それぞれが満足するのはなかなか難しいと思うのですが、理央さんのお話は、拡がり過ぎることなく「何を」「誰に」「どのように」という基本が大事であることを納得させてくれるものでした。
マーケティングというと様々な知識や分析・解析をする力がないといけないような固定観念があるような気がしますが、そんなことより「考えてやってみる」ということがまずあって、それは誰でもできること。
理論だけでやっても意味が無い、と考えると、専門家にしかできないわけではなく、日々印刷やWEBに関わる私たちもマーケティングという分野にどんどん取り組んでいくことは、これからの私たちの仕事のひとつの姿として充分あるのではないかと思いました。
2. セミナー「IA(インフォメーション・アーキテクト)視点のモノづくり」(坂本貴史さん)
IAというと私たちには聞き慣れない言葉ですが、今まで私たちが体験してきたセミナーとはひと味もふた味も違い、IAが何であるかというより、セミナーの進行に衝撃を覚えた方も多いのではないでしょうか。前半の座学で、モノ作りをする側の「私たちが見るべき視点」を学び、その後は「イベントサイトの画面をどう作るか」を、情報のカテゴライズ、情報の捉え方、考え方などをワークショップ形式(今回は隣同士でペアを組む)で、体験しました。
WEBなんかやったことが無いという人でも気がついたと思いますが、情報が散在する世の中で、私たちの仕事は、その膨大な情報を整理して紙やWEBのコンテンツとしてまとめあげていくことです。そこには実務的な作業もありますが、人とのコミュニケーションがとても大切だということを教えてくれました。
もともと私たちと同じ業界でグラフィックデザイナーであった坂本さんが今はWEBという世界でご活躍されているわけですが、この業界の若い人材に向けて将来像や可能性を示してくれたとも思います。
そして、ただ言われたものを作るだけではなく、これからの私たちの仕事の役割というものも見えてきたのではないかと思いました。
3. まとめ
主催側としてこのカンファレンスを振り返ってみると、マーケティングもIAも、普段の私たちの仕事とは少し違った世界にみえるかもしれません。もっと実践的な事、もっと具体的な解決策を求める人が多いかもしれません。しかし、私たちが主として関わっている印刷やWEBのモノ作りを考える時、少し離れたところから客観的に眺めてみることで、より課題や将来像が見えてくると思います。
そういった意味では、冒頭に述べた「社会全体の中で私たちの仕事が何であるか、何をすべきかを考える」といったテーマに近付けたのではないかと思います。
次回はまだ未定ですが、「みんなで一緒に考えるカンファレンス」というものが存在することは、業界にとって、GCCにとって有意義であると思いました。
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