2008年12月1日月曜日

研修生なブログが公開されています

11月27日から研修生が2名来ておりますので、そのブログでございます。
1ヶ月しかないですが、見ていくと、いろいろ面白いかもしれません。

http://sateliteworks.blog57.fc2.com/

http://rs.180r.com/humanite/

実は、この試みには、いろんな意味(願い)があります。

・業界の宣伝〜印刷・制作業界、その仕事がどんなものかをより多くの人に知ってもらうたい、という願い
 最近は、DTP、印刷となると、給料が安い、残業が多い…などなど、あまり良い印象はないようです。面白いのに…。

・「作っている」という感覚と、「作り出す」という感覚の違いを分かって欲しいという願い
物作りには何でも共通することだと思いますが、僕はいつもこう思っています。
作っている人とは、言われたこと、自分が知っている範囲内で「物作りをこなす」人であって、世に出している人ではない。誰かの手によって、例えば営業さんの手によって、お客さんに出されているものである。
作り出す人とは、受け取ったときから、「作り出す」工程はもう始まっていて、出来上がった物に自信を持っていて、それが営業さんの手によってお客さんに渡されたとしても、そこに自分のインパクトを出すことができる。
お客さんの目は決して節穴なんかじゃありません。結構ちょっとした気遣い、違いに敏感です。
「作っている」人は、言葉は悪いですが、「いいなり」になってしまっています。
「いわれたからそうした、言われたとおりにした」=「いいなり」ということです。
これでは、いつまでたってもそこから抜け出せないです。そして、効率化なんぞ、空想で終わります。

「作り出す」人は、どうしているかをちょと考えてみました。。。

仕事に使うツールをまず熟知している人。ツールとはソフトウェアだけではありません。仕事に使う使わない関係なくです。他にいいツールがあれば試してみます。だからアンテナを張ることはとても重要です。

そして、自分の環境をいつも最善の状態に整備します。環境とはマシン、ソフトウェアのことだけではありません。人の気持ち、自分の気持ちも同じです。

また、自分が効率よくできると自信のある型を持っています。そして、それをいつも磨いています。そこで、何か仕事が来ると、その型にはめるのです。でも、三角形の型に、四角形は入りません。そこで、まずどうするか?
その四角形が、次の仕事、自分の型に入れるべきだと思ったら、仕事を始める前(もしくは途中でも早い段階で)に、四角形の型の作成に入ります。
それは、チャレンジです。うまくいかないかもしれない。
でも、三角形の型を持っているのに、それを破棄して四角形を作ることは、とても屈辱的です。だったら、今度は五角形にも六角形にもなるものを作って待っててやるぜと思います。

もっともいけないのは、三角形だと思ってやったら、後で四角形であることに気付くとか、なんとかなるかなと思いつつやってみたら結局だめで、最初からやり直しになる、とか。

でも、僕はめんどくさがりなので、三角形の型にはめた方が早くできるので、はみ出た一辺について、相談します。「これっていらないですよね?バランス悪くなりますもんね」と言います。運良く「ああ、いらないですね」となったら、即忘却。「いや、これいるんですよ」となったら、理由を聞いてみる。自分の辞書に入れるべきかどうかを判断しなければいけませんので。お客さんは大抵同じような要望、要求をしてきます。だから、自分が切り返せるようになるために、そういう意図はどんどん吸収します。そして、自分の型を拡張するかもしれない。これはいいこと聞いちゃったと。
お客さんが発注先に対してしてほしいことの根本に、「これやって」「了解です」で、ちゃんとしたものが出てきてほしいと願っています。そのためには、お客さんの好みを知るのも必要です。ただ、それ以上に必要なのは、「自分ならどうする」という感覚です。お客さんの好みに合わせていくようにみせかけて、実は自分が良いと思う方向(品質、速度、将来性)へ持って行く、ということです。もっと言うなら「やりやすい方向」です。

ただ手を抜くということではありません。
物作りをする過程で、お互いにリスクを少なく、良い物を仕上げるにはどうすればいいか、を真剣に考えた末のことを、きちんと分かるように説明してあげることです。これこそプロだと思います。
時間を掛けて遅くまで、休日まで使って仕上げることが最善ではない、プロではない、ということです。
いかに日常の作業を短く済ませるかを常に考えていれば自然と流れが良い方に変わっていきます。
ただし、そこで早くできた分、もっと自分の技術に磨きをかけなければいけません。
それこそがプロがプロとして生き残っていくために最も必要なことです。

・「やる気」というモチベーションは、自分で上げるしかない、ということに気付いて欲しいという願い

「うわ、これやらんといかん…」と思ってやる仕事と、「おし、これやっとこ」と思う仕事では全くやる気が違う。やる気が違うということはスピードも、理解力も違う。
あれもこれもやっとかないかん、と思ってしまうと、何にも楽しくない。そのときにはもう「やりたくないこと」になってしまっているからです。それでは仕事は続かない。
仕事でやらされていると思う、もしくはそれさえも感じずにやっているのであれば、ひとつひとつ任されたことから、自分から、「この仕事でこれを身につけよう」「次に同じことをやるときに備えて、今からやることの作業ログをとって、あとで検証して、次はあの人より早くやってやろう」というように考えれば、全部面白い仕事に変わる。

・「教える」「教えられる」ということの大切さ、大変さ、楽しさを理解して欲しいという願い
技術というのは、常に変わっていきます。
既存の技術に追加されたり、修正されたり、無くなったり、全く新しいものになったりと。
今持っている自分の技術を伝えていく、ということが組織作りに必要です。組織も人間と同じ生き物です。ただの「箱である」ということではないのです。そこにいれば雨風しのげるというものではないのです。自分たちで土台を作り、屋根を作り、時には修理したりと、していかなければなりません。そうやって築き上げていく努力を常にしてこそ、組織が成り立つわけです。

新しい人がきたら、自分の持っているものを惜しみなく教える。そして、自分はもっと上を目指す。そこで、教えるときには、どう伝えればいいのか、どうまとめておくのがいいのか、他にどんな技術があるのか、それは本当に正しいのか、ということを真剣にやらないと、企業の中で教えるという行為には当たりません。それは「できそうなことだけやってもらう」ということになると思います。僕もそうでした。でも、それではダメなんですね。そうやってれば、いつか興味が湧いて、そのうち自分から踏み込んでくれるだろうと思っていました。「覚えられないなら、まあ、最悪自分でやるか」みたいな感じだったと思います。今はっきり言えるのは、それではダメだったということです。なので、教えるなら相当の気合いで教える。教えられる方も、分からない、違うのでは?、というように、そこでも真剣勝負する。それは企業にとって命とも言える技術の継承だからです。それを中途半端にしてしまっては、何も形として残らない、と思います。

なのですが、堅苦しくこういうことをやってもダメなので、今いるスタッフがそれぞれ持っている技術をセミナー形式で、それぞれの枠を作って研修生に教える、という試みをしてみることにしました。
さてさて、どうなりますかねえ、乞うご期待。

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