2010年1月10日日曜日

DTPにもテストという概念がますます必要なんじゃないかしら

DTPってある意味、システム開発でいう「アジャイル」な方式で出来ていくものだという話をこの前していた。

ここはやっぱりこういう機能が欲しい=ここはやっぱりこういう文面にしたい

これは完成物を見て出てくる意見(欲求※要件、要求ではなく)であって、僕はそのケツを決定するもの、もしくはそれをやるかどうかは、時間(割り当て可能な時間)だと思ってるんですが、この作業の積み重ねで出来ていくものとすれば、同じような感覚が必要だと考えられます。

反して、ウォーターフォールな方式でいけるかというと、DTPは無理。言うなればシステム開発も無理。
DTPにいたっては、「これ追加」「これ変更」は当たり前であって、それがあるからこそ、DTPの仕事があるわけで、それに対応しません、ということであれば、職自体必要ない。だって、それはただコンバートしただけだもんね。

「無いもの(見えないもの)」を作り出すということは、その目指す先の「有」は、だれも見たことがない。だれもそれが完璧だという姿をなんとなく想像はしていても固定的に限定的に指し示すことはできない。なんとなく自分の想像に近いところで、OKを出すしかない。

だから、DTPもシステム開発もクリエイティブな世界なんだと思うのです。

だからこそ、作り手は、お客さんの想像から、創造しなければいけない。
常にプロフェッショナルな立場からそれを作り出すという関係で成り立つものだと思うのです。
だから、色んな便利なツールとか沢山あって、誰にでもできるんかというと、そうではなく、やっぱりそれが成り立つには相当な努力をした人たち、それが好きな人たちだけが生き残っていく世界なんじゃないかと。

話逸れますが、先日美容院の年下の店長が言うとりました。
たまたま美容院関係を目指す人向けのフリーペーパーがあって、その話題の中ですが、
「美容師ってさ、結構目指してる人多いよね?専門学校とかもあって」
「いっぱいいますけど、結局なれるのはホント一部だけで、みんな対外辞めていきますね。」
「ネイルとかはやってるっぽいじゃん」
「誰でもできるようになっちゃって、どんどん値が下がっちゃって、今やっていけなくなってるみたいですよ。僕らは値段は下げないんですよ。そもそも誰でもができるものではないんですから。」

これを聞いて、ああこいつもクリエイティブな世界のプロなんだなと。そして厳しい修行に耐えて今があるんだよなと思ったわけです。

んでんで。。。話戻します。

僕らの世界に戻すと、どちらかというと完成したものにクリエイティブさを求めるのではなく、その作る過程において求められるものとなります。
だって、DTPでいけば完成したものはレイアウトされたページだし、システムでいっても、使う側からすれば、別に中身のソースコードが綺麗かどうかなんてのは関係ない。

ただ問題は、どう作られたかが重要で、ちゃんと出来ていなければいけない。
DTPで言えば、間違いがない(印刷トラブルになるような要素も含む)かどうか、
システムで言えば、ちゃんと動くかどうか、
両方ともお粗末なミスを含んでいるようではプロとは言えない。

それには、作り方が非常に重要ということで、DTPにもその品質を担保する「テスト」という概念への取り組みが必要だと思うのです。

そのテストは、
・最初の要件では、前述通り決められないので、随時変わっていくもの、足されていくものというのが前提
・プログラム的チェックが可能か、目検が必要かを振り分けをする
・テストが通るように作る
・テストして、それが通ってから初校、再校ごとに納品する
というようなことを考えています。

印刷のためのプリフライトチェックとかありますが、それも含まれます。
しかし、その内容まではチェックされません。
データなんですから、今後は、もっと内容まで掘り下がったチェック(文字、文言とか、画像、著作権とかもあるかも)が必要とされると思います。

それから、もう一つ、なんで必要かという理由になるものは、電子書籍やコンテンツの再利用など、今後「データ」としての扱いが重要になってくるということです。

なので、印刷は、その出力方式の一部でしかなく、当然その品質を保つことも重要ですが、今までのように「印刷ありき」という考え方から、徐々にシフトできるところから「データありき」という認識に変わっていくと思われます。

僕らは印刷にするところが得意だというアプローチから、その制作の仕事をいただいているわけですが、ただ出来るというわけでなく、プロフェッショナルに展開できないと意味がない、ということだと思うのです。

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