2015年1月9日金曜日

中部GC主催 クロスメディアカンファレンス2015(2月19日)について

わたくし、中部GC(中部グラフィックコミュニケーションズ工業組合)のクロスメディア委員会の委員長なのです。
今年2月19日に第2回を開催いたします。
 (開催概要はこちらです。 )

前回は、
・小林弘人氏 メディア化する企業と新しい時代のマーケティング
・徳力基彦氏 企業のソーシャルメディア活用の基本コンセプト
・町田聡氏 最先端映像表現を用いたマーケティング手法
でした。
SNSや口コミによるマーケティングの全体増や事例から、プロジェクションマッピングなど新しい情報を得ることができました。

今回ご登壇いただく方は、
・理央 周 氏(本名:児玉洋典)「顧客視点への転換によるこれからのマーケティング」
 マーケティング アイズ株式会社 代表取締役
 関西学院大学 専門職大学院 経営戦略研究科 准教授

・坂本 貴史 氏 「IA(インフォメーション・アーキテクト)視点のモノづくり」
 ネットイヤーグループ株式会社 UXデザイナー
のお二人です。

とても魅力的な活動をされていて、自分自身もの凄く楽しみにしています。
詳しいご紹介は次回としまして、 組合会報に寄稿した記事を転載します。

将来に真剣に向き合うカンファレンス

「私たち社員は使い捨てなのか」ということを言われたことがあります。
そのようなつもりで経営しているわけでは勿論ありませんが、何故そのようなことが言葉として発せられたのかを考えてみると、そもそも私たちが日々作り出しているモノが世の中の役に立っているのか、使い捨ての産物をただ排出しているだけなのではないか、なんのためにやっているのか、将来はどうなるのか、を示すことができないことが根本にあるのではないか。
さらには人口低下、労働力低下で縮小する日本経済においては、大企業と中小零細企業の格差は開く一方であり、私たちの業界における雇用の確保、人材の育成は一層厳しくなると予想されます。

また、社外のお客様から見ても、私たちの業界が何を主体としているのか、はっきりと理解している人は少ないのではないかと感じています。
私たちは、紙以外のメディアとしてWebやアプリ、デジタルサイネージなど電子化を進めてきましたが、それによって主体性を欠き、顧客は一層混乱したかもしれません。
そして、TwitterやFacebookなどSNSの登場は、お金を出さなくても世に情報を発信することを可能にし、私たちに一番近いメディアであった印刷は安くやるものだというTVCMが流れ、ネット通販の感覚で価格競争に陥っています。

このような中で、私たちが右往左往している様を、社内外に見取られてしまっているのではなないでしょうか?

組合として、また、業界として、働く人にもお客様にも何ができるのか、その将来を真剣に向き合わなければいけない時期にきているのではないかと思います。

今回のテーマは「考える」

今回登壇される理央氏は数々の企業での実務経験のあるマーケティングの専門家であり、坂本氏はUXデザイナーとして、社内外各所でセミナーやワークショップを開催し、これからのモノ作りを考える活動をされています。
「モノを売ること=営業」「モノを作ること=制作」と考えると、一見繋がらないように思うかもしれませんが、「売れる(集客できる)モノを作る」と考えてお二方の著書、理央氏「なぜか売れる仕組み」、坂本氏「IAシンキング」を読めば、その多くの共通点に気付きます。
ここでいくつか紹介したいと思います。

「何を」「誰に」「どうやって(どのように)」

「デザイン性の高いチラシと売れるチラシ」「デザイン性の高いWebサイトとアクセスの多いWebサイト」のどちらが求められるかを考えれば、売ることと作る事は直結していることに気付きます。
その中で重要なキーワードとなるのが、「何を」「誰に」「どうやって(どのように)」。
理央氏は、その順番が重要だと語り、坂本氏は、モノ作りのスタート地点であり、そのためには、今までとは違った「視点」で物事をみる必要があるとしています。
私たちが、言葉は悪いですが、「いいなり」で作るのではなく、基本を押さえ、見えるもの、見えないものを網羅した情報解析による提案ができれば、予想通りいかなかったとしても、そこには価値を見出すことができます。

「正解はない」「自分で考える」

お二人の著書では「ここに正解はない」と最初に言い切っています。
マーケティングの世界にも、デザイン、Web、モノ作りの世界においても「正解はない」ということを私たちはまず認識する必要があります。
突き放されたような気がしてしまいますが、世の中に溢れかえる情報は、あたかも正解を教えてくれるようにみえます。
自分で考えなくても、誰かに聞けば、本を読めば、ネットで検索すればいいという考えが染みつき、そして、それがすぐに自分に身につき、実行できるものと勘違いしてしまっています。
また、機器やソフトウェアが一定の水準まで達してしまった今では、それまでの技術や創意工夫での差別化ができなくなりました。
さらにデフレによる「良い物を早く安く」という消費者的感覚は、私たちから「考える力」「考える時間」を奪ってしまったような気がします。
このまま「安かろう悪かろう」となってしまっては、業界自体が社会的に見放されてしまうのではないかと危惧してしまう程です。
それぞれの著書では、正解に近づくため、確率をあげるための知識の体系化、考え方のフレームワークといった実にシンプルな理論が語られています。

是非、カンファレンスでは聞くだけではなく、「自分で考える」こと、そして、「考えるプロセス」の重要性を感じ取っていただければと思います。

今回のカンファレンスで、私たちの組合、また業界は、冒頭で申し上げた背景、状況下にはありますが、決して暗い将来ではなく、理央氏の言葉を借りれば「考えて考え抜く」ことで、今まで以上の顧客との関係構築、豊かな社会生活に多いに貢献し、必要とされる業界であるという明るい未来が存在することを参加者全員で感じとることができればと願っています。

当日は、時間の都合上全てを語っていただくことは難しいので、沢山のヒントがちりばめられたお二人の著書を一読されることをお薦めします。それによってこのカンファレンスがさらに意味のあるものになることは間違いありません。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。


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