NCViewは、PDFがあるなら、
それパックしてアプリにしちゃおうよ、というもの。
EPUBとかとはまた別の世界。
すでにあるもの(ここでいうのはDTPの成果物であるPDF)を販売したい、
というニーズを満たすために存在する。
、、、とはオモテの顔で、
実は、「これほんとに必要なの?」という意味もあったりする。
電子書籍ってもんが、どうもこう違うんじゃないって
方向に進んでいくのを感じてしまう今日この頃。。。
うちは、ソフトウェアを開発するけど、
一過性のニーズを満たすものなんかは手を出さない。
電子書籍を開くと、びよーんってうちのロゴ出したいわけでもない。
なのになぜ、今さらViewerを開発したのか。
PDFが読めるViewerと言えば、iBooksやi文庫HDをはじめとして、
たくさんの会社が出している。
アプリとして生成するツールやサービスをやっている会社もたくさんある。
なんならXCodeでビルドしてみなよ、という本を出してる人もいる。
アプリにできる人たちは、そこにビジネスチャンスを見いだしたわけだ。
その機能はすでに成熟している。
電子書籍を「読む」という欲求を満たすにはすでに事足りる。
というか、一番シンプルに考えれば、
まず読めることであって、それ以外は実はいらない機能だったりする。
あればいいなを付け足しただけ。
しかし横並びになれば、あっちはあれがついてて、
こっちはこれがなくて、、、という話が盛り上がる。
そんなところで差別化されたくもないし、
そもそも自分たちの方向性、
いろんなデータ形式へのコンバートやコンテンツ管理
に合わせて作りたいだけで、
大抵のニーズは、分かってることであえてやってない。
作ろうと思えば作れるものであって、そんな小さな世界で競争したって
お互いに疲弊するだけだ。
ストアにしたってそうだ。
AmazonやGoogle、Appleみたいな世界規模でやっているところに勝てるわけがない。
彼らが本気出したら終わりだ。
ただ日本の小さな、言語的にも閉鎖的な世界へ本腰入れないから、
そこがチャンスだと思うなら良いかもしれない。
いずれにしろ、彼らに勝てるわけがない。
その先にやりたいことがあって、そのためのステップとしての機能ならつける。
先々をみたときに必要な機能を、ニーズとして受け取ってしまうならば、
それはどちらかというと遅い。
だから、欲しいと言われた機能をこばんだりする。
「今それ必要?」と。
例えばiPhone版もいると言われたときに、
その誌面がiPhoneでみたら見づらいなら、
ユーザは買わないと思う。
買ってもクレームを言うと思う。
だから、いらないと思うのでやらない。
お金積むからやってよ、っていわれても気持ち的にやらない。
すんごく積まれたら、あっざーす!ってやる。
でも大抵、違うんじゃないのって思ったことをやってしまったときほど
そのプロジェクトが失敗の道へ進む確率が高くなる。
だからやりたくない。
わがままに思われるかもしれないけどやらない。
これがあれば売れるんだよとか後出しするのは、大抵いらない機能。
まあ、こういうのを「とっきとき開発」という。
電子書籍をアプリにする必要があるのかを
もう一度ふらっとな気分で考えてみる。
すでにアプリにしなければならない、
という位置にいるならちょっと前の自分を召還してください。
電子書籍を出す理由
・書店で売れないから
・書店に出しても売れないから
・そもそも売れないから
・流行だから
ちょっとまってね、、、
売れないものは売れないです。
売れなかったもののアプローチを変えるなら別だけども。。。
電子書籍で売れるもの(勝手な想像)
・売れるはずがないと思い込んでたもの
・超新書
・どっかのコミュニティで盛り上がっちゃったもの
つまり、特定の分野の人たち向け
・そもそも小さな範囲でいきたいと思ってるもの
売れないものが売れるのはたまたまです。
売れてたものがさらに売れるかもしれないけど、
その理由は従来の理由とは違うところにあると思われる。
だから電子書籍うんぬんの前に、営業的な感覚では出す理由がない。
だって売れるかどうかわからんものに販売計画などたてられない。
電子書籍なら売れるかもしれない、というのは多分幻想。
しかし、夢がある(。。。ポッ)
そして、紙がない、インクもない。
被災者の方ごめんなさい。ここではそういう話ではないので許してください。
販売を期待できる読者にも届けられない。
電子書籍、ありですね。
それから、在庫がいらない。
これが端から見て大きいと思うんだけどあんまり言われないな。
そこにどれだけコストがかかってるかしらないけど、
最初に見込み数をたてる必要がないし、
電子書籍の場合、初期投資の回収だけだから、
中長期でみればうんぬんかんぬん。
これは話がずれそうなのでやめよう。
もうひとつ。
提供者と供給される側の感覚は違う。
売れると思ったものが売れず、売れないと思ったものが売れる。
頼みの綱は、書店ではなく、買ってくれた読者。
読者様がどんだけ満足してくれるか。そこに集約される。
電子化は、間がすっとばされた分、本来在るべき姿の、
著者と読者がもっと近づけるチャンス。
今までは一冊ずつぶったぎられた販売を、
なにか連続的なもの継続的なものに変えられる可能性がある。
これも話がずれるのでこのへんで。
まあ、そういうのは期待できる。
だから、とりあえずやってみればいい。
そして、そこにいたる仕組みとか、反応とかそういうのをリサーチするための
テストマーケットだとおもってやればいい。
マーケットは常にテストマーケットであって、
正解なんて存在しない。
今存在しないマーケットをどう作るかであって、
既存マーケットへ投げ込んだって、従来の下をいくだけ。
成功するか分からんけど、それはおいておいて
とりあえずやってみる、というところを開発側として応援する。
だから、機能は最小限。
そこにこだわってちゃだめだよ、というメッセージ。
その反応を一緒にみて、この先を一緒に考えていきたいと思うのであります。
無駄な開発は、評価もされない。
どんだけ時間かかったとしても。
そんなもの作り手側としてやりたいか?
それより既存のもの・技術を利用して、少し先をみて
ユーザを引っ張る方がよっぽどイノベーション?
あなたの欲しいものは、すでにあります。
iBooksとかいろいろ。
だったらPDFにすればいいんじゃない?
いろんな会社が頑張って作ったものにのっかればいい。
DRMは、その人のメアドとかつけてさ。
そんな署名埋め込みなんてAcrobatでできるし。
決済はPayPal。多分明日からでもできるよね。
ほんとは電子書籍って、ちょっと覚えれば自分でできるぜ!すごいぜ!
っていうことが発端じゃないのかしら。
うちはコンテンツホルダーじゃない。
出版社さんたちはその点うらやましい限りだ。
なぜ、すぐにでもやらないんだろうってすごい不思議な感じ。
でもPDFにも限界がある。PDFはPDFであってそれ以上のものではない。
そうすると新しいマーケットの開拓という意味ではちょっと。。。
開拓が決められた仕様によって遮られるのでは、進歩なんかできない。
リサーチして、反応を試しながら機能をつけられる。
それによって違う世界を作り出すことができるかもしれない。
だから違うスタンスでアプリにしてみた。
作ってリリース情報を流すぐらいなので、やるなら本気。
こんなよた話するぐらいなので、さらに本気なのかもしれない。
そういうことじゃないかな。
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