2014年2月20日木曜日

【WPS.3】ユーザーさんが教えてくれたその威力

オンライン入稿・自動組版システムの「WPS.3」のユーザーさんは、北は山形から南は熊本まであって、そのうち何カ所かは年に何回かお邪魔させてもらう機会があります。

WPSやWEBサイト、その他よく分からないけど面白そうな話題について色々とお話を聞いたり、したりと、当然マジメな話しもするのですが、いつも楽しく訪問させていただいています。

WPSは、ユーザーである出版社さんにとっては、業務システムのひとつであり、それが稼働しなければ、業務に支障を来すので、我々も真剣に取り組んでいるのですが、それ以上に、厚い信頼や期待、たまに説教(良い意味で)をいただき、本当にお客様に恵まれているなあとつくづく思います。

その中で、経営者の方からのお話でよくあるのが、次の効果です。
「もし、このページ量をWPS.3無しでやっていたら、今のスタッフの人数では無理。その場合、コストが合わくなってしまって利益も出せないし、競争に勝てなくなる。」

なんだか手前味噌っぽくていやですが、
そもそも、こういう仕組みをやり出した頃、何人かの同業者から言われた言葉をよく覚えています。

自分で自分の首締めてどうするの?
制作の仕事がなくなるじゃないか

当時若輩ものなので、「そのうち自分たちの仕事はそうなるから、今のうちにやった方がいい」とは言い返さず「ですよねぇ」ぐらいにしておいたかな。

WPS.3が稼働すれば、究極的に言うと、

今のスタッフの数で、倍稼げる

と声を大にしていいたいところですが、
裏を返すと、「今のスタッフの半分でも現状こなせる」となってしまうのです。
そこで涙を流す人もいるかもしれないと思うと、躊躇してしまうわけです。

そして、そちら側の立場にたてば、
機械じゃ、こういうのができないだろ?だから人がやるんだよ!!
と言ってしまいそうです。

でもですよ、、、

本来、DTPやデザインをやる人たちが、ちょっと整理すれば機械でも出来ることをわざわざ人の手でやるよりかは、機械ではできないこと、人にしかできないことをやった方がよっぽど世のため、人のため、そして何より自分のためだと思うのです。

雇用が減るじゃないか!?

自分は違うと思います。機械でもできることをただ黙々とやるロボットのような人材を雇用する方が失礼だと思います。いつでも入れ替え可能な人材で回すなら、そこにはクリエイティブのかけらもありません。
人にしかできないこと、新しい企画やデザインを考え、ビジネスを拡げていく部分に人材を投下した方がよっぽど将来性があるのではないでしょうか。

世の中の出版物をすべて自動組版できるとは思ってません。
ただ、よくよく今の制作仕事を見つめてみると、非効率なことがいつのまにか当たり前になってしまっていないでしょうか。
一度ずれてしまうと、どんどんずれます。根本的な部分を見直せば、解決することも多々あると思います。

そして、それが解決されたとき、今まで出来なかったことが出来るようになっている、そういう夢を繋ぐためのシステムとして認知され導入されると自分達はとても嬉しいです。

2014年2月18日火曜日

【WPS.3】編集・制作の課題解決〜DTPの功罪を振り返る〜

20年前〜DTP移行の理由

wikipedia先生のDTP解説には、それまでのアナログ工程がDTPに移行した理由が書かれている。
Macintoshによる組版は、仕上がりをその場で確認できることや、文字通り机上で、ぎりぎりまでデータ修正が可能なことなどのアドバンテージを持っていた…
また製作コストを下げたいという出版社の需要の中で、次第にDTPへの移行がなされていった。 
あれから20年程が経過して、どうなったか。

・製版工程の知識がない素人が作る印刷データに悩み、
・夜中ぎりぎりまで修正の連絡を待ち、
・効率化を協議するまでもなく、とにかくコストを下げてくれ…

レイアウトソフトが主役の制作工程

DTPをそれ以前の「アナログ」と比較して、「デジタル」ということがあるが、
手がマウスに変わっただけで、特にデジタルと呼べる代物ではない。

確かにPostscriptやフォント、カラーマネージメントやコンピューター自身の処理性能などを含め技術は飛躍的に向上した。

しかし、ずっと取り残されているのは、人がレイアウトソフトを使って印刷データを作る部分である。

多分、今では誰でも気付いていると思うが、DTP移行当初にあった
仕上がりをその場で確認できる
ぎりぎりまでデータ修正が可能
製作コストを下げたい
これらを実現するのは、「レイアウトソフト」ではない。
パッケージソフトの「機能」「使い方」を研究・検証するだけでは、全体的な解決、継続的な解決はできない。

内省化をもうひとひねり

出版社がDTPを内省化すれば、コストが削減できると考えたのは、間違っていない。
ただ、デザイン・DTP部門を人・設備もろとも持ってきただけでは無理が生じる。
結果、コストを抑えるどころか、膨れあがるのを実感したことだろう。

出版社がやりたかったのは、作成した原稿が、
仕上がりをその場で確認できる
ぎりぎりまでデータ修正が可能
製作コストを下げたい
であればよかったわけで、それが自社で内省化しなくてもよい方法があれば、採択したはずである。

簡単なことを言えば、遠隔地にあるレイアウトエンジンにデータを投げて、
結果がPDFで返ってきたとしたらそれでよかった。

20年前の当時、そうした方向へ向かうための環境は整っていなかったのは事実である。
組版エンジンやフォントのライセンスを所有するメーカーにとっては、例えば10台分が1台分でまかなえるとなれば、売上を下げることになる。もしくは、1台を10台分の価格で販売するしかなくなる。
しかし、そこへ踏み出さなくても、現状をみれば、国産の組版エンジン(レイアウトソフト)は全滅状態にある。
せめて、レイアウトソフトのGUIを取り除き、今後を見据えたエンジンとしての供給が積極的にされていれば結果は少なからず変わっていたことだろう。

もう一点は、レイアウト・体裁を「手で細かく調整するこだわり」が邪魔をしている。
思い切り手をかける本であれば賛成である。「美しいデザイン・組版」というものを、コスト度外視で自分もやってみたいものである。
大半は、作り手側のエゴであり、今の読者はそれよりも質の高い情報を求めている。
ある程度のセオリー通りの文字組がされていれば文句を言う人はいない。
「ここの中ゴの英数字のアキがちょっとおかしい」というのは関係者だけである。
そういった小さな拘りが、現状の課題の要因であることをそろそろ理解しないといけない。

DTP化理想論の後始末のためのWPS

DTP化で残された課題を解決するためには、原稿作成から印刷データとして出力するまでの、編集・制作業務の仕組み(システム)を作らなければいけない。
SGMLやXMLを使ったもの、大がかりなデータベースを使ったもの、Flashを使ったもの、レイアウトソフトのプラグイン…様々な試みが各所でされ、そして消えていった。

WPSは今年で10年目を迎えたが、DTP化の後始末をするために開発されたものでもある。
仕上がりをその場で確認できる
ぎりぎりまでデータ修正が可能
製作コストを下げたい

言っていることは同じだが、アプローチは違う。
レイアウトソフトを基軸にするのではなく、
データを基軸にして、人がどのように情報を与えていけば、最終的に欲しい形にすることができるか、欲しい形にするには、どの組版エンジンが最適か、それだけである。

果たして組版的な機能、レイアウトソフトの選定は、重要ではあるが、読者も含めた全体からみたとき、優先すべき要素なのだろうか。

今の時代は、情報を与えるために、電話・メールなどする必要はない。
WEBを介してオンラインでアクセスできれば、いつでもそこに情報を与えることができ、またその結果をその場で確認することができる。

「従来通り」を捨てて、これから先を作る

全ての印刷・出版物を対象にはしないが、汎用性や再利用性が求められているコンテンツは数多く存在する。これらのデータを「従来通り」の枠を取り払って、作り手側が考え方を変えることで拡がる新しいビジネスはあると思う。

2014年2月13日木曜日

【dproofs】使い方のおさらい

また、dproofsに戻ってきました。

page2014でお会いした方から、早速いくつかお問い合わせがあったので、dproofsについて簡単におさらいしたいと思います。
info.dproofs.comで、使い方やプランも掲載していますので、ご覧下さい。

1. ブラウザは、FirefoxかChromeで

申し訳ないですが、InternetExplorerには対応していないので、FirefoxChromeでお試し下さい。SafariでもOKのはずです。


2. まずはアカウントの新規登録(無料)をしてください。

こちらをクリックすると、新規登録ページに飛びます。


登録の手順については、こちらをご覧下さい。
プラン変更しない限りフリープラン(無料)でお使いいただけます。


3. 試しにPDFの差分をとってみるには

以前書いた記事をにスクリーンショット付きで解説していますので参考にしてください。(少し加筆修正しました。)
下のようなボタンが表示されたら差分がとれています。



(Adobe Acrobat Xで、出力プレビューのCとMだけチェックを入れると下記のようになります。)



4. フリープランの制限について

各プランについては、こちらをご覧下さい。
フリープランは、アップロードするPDF-1ファイルのファイルサイズが30MBまでとなります。(合計ではありません)

5. 違いが無いことを教えてくれる「No Diff!!」

「No Diff!!」と表示されます。


違いがないことを確認したいとき、便利です。

6. 複数ページのPDFをアップした場合の結果はとても便利

勿論複数ページでも差分はとれます。
そして、新旧を比較して、差がああったところだけを繋いでPDFを作りますので、差がなければそのページは出ません。結構便利です。

7. 複数ページの場合で、追加削除があった場合でも差分をとりたい場合

そのまま差分をとると、ズレズレになってしまうので、元PDFのページを任意で削除または白紙ページを入れるなどして追加してください。

8. 他のユーザーとプロジェクトを共有

dproofsはログインした人のプロジェクトしか表示されませんが、自分がプロジェクトのオーナーであれば、共有ユーザーを設定できます。

フリープランでは、自分以外にあと2人を設定できます。

 9. 共有ユーザーにPDFの場所を教える

差分PDF及びアップロードされたオリジナルPDFのダウンロードリンクまたはボタンを右クリックして、URLをコピーしてメールなどでお伝えすれば、共有しているユーザーはそのリンクをクリックすれば、すぐにダウンロードを開始できます。



10. 有料プランお支払い方法について

PayPalによるカード決済となります。法人様向けに毎月請求書を発行し、口座振り込みしていただくこともできますので、利用人数とともに、お問い合わせ下さい。

11. その他ご意見ご質問お待ちしています。

プラン内容や金額、容量制限、使い方、感想など、お待ちしています。
お問い合わせページはこちらから。

12. 「目指そう!DTP事故ゼロ!!」ステッカー及びポスター

DTP関連のイベントでお得なクーポン付きで配布予定です。
(主催者の方、お声がけください)
それとは関係なくとりあえず欲しい人は、ご相談ください。

看板は、ちょっと今のところ無理です。。。





2014年2月11日火曜日

【WPS.3】オンライン自動組版は別世界なのか

ちょっと最近、dproofs推しすぎるので、骨休めにWPSについて。


見かけなくなった自動組版のソリューション

先日page2014に出展しましたが、以前は「自動組版」というキーワードで出展しているブースも多かったように思いますが、最近ではあまり見かけなくなった気がします。

皆さんからみて興味がないのか、別世界のものとして諦めてしまったのか、あんなに盛り上がっていたのになあと。

実際、オンライン入稿や自動組版、またその掛け合わせは、導入時よりも稼働後の方が結構大変です。推奨してきた提供元が、そこまでフォローできないからユーザーも諦めてしまったのではと考えると寂しい限りです。

ということで、WPSは、次のような人たちにお薦めしたいです。

編集・制作の効率化・コスト削減を成功させる秘訣

1. 編集・制作の効率化やコスト削減を真剣(優先)に考えている

現状のフローやコストの把握、目標としたい効率化の成果目標、コスト削減をイメージしていると尚よいです。

2. そのために多少の犠牲はいたしかたないと考えている

犠牲とはデザイン性のことではありません。効率化は特効薬でもあり、時に劇薬となることがあります。「多少◯◯があっても、それよりも効率化やコスト削減が重要だから」と割り切れるかどうかです。なので、ある程度の判断を会社から任せてもらえるような方がリーダーになるとスムーズです。

3. 信頼関係を築き、常に柔軟に臨機応変に対応していこうと考えている

導入する側も慣れるまでエネルギーが必要です。
最初は、今まで見えていた自分の責任範疇を超えることで、「本当に使えるのか」「出版できなかったらどうしよう」など考えたらキリがない程、不安になると思います。
その不安と闘いながら、海の物とも山の物とも分からない私たちを信頼していただいて進めなければいけません。また、色々と見えてくると、最初はこうしようと思ったけれども、やっぱりこうするべきだ、などが出てきます。そういった方向修正に柔軟に対応することも重要ですが、最初の目的「編集・制作の効率化・コストダウン」など、その芯を容易にずらさないことがもっとも重要です。
システムが崩壊するときは、その制御が出来なくなった時。多分これは、人間社会、企業社会でも同じことです。システムもその中に秩序を持った社会を作り上げる必要があります。そういった面もサポートしてきた結果、導入企業内、そして私たちとの信頼関係が構築され、10年目を迎えた自動組版システムとして今があると思っています。…とか、堅いことはこれぐらいで。

潜在的な効率化への気持ちを引き出す

なんだか、折角やってみようかなと思っていた人たちに、いきなりハードルを挙げた感じですが、何もせず効率化・コスト削減など出来るはずがありません
導入企業の出版存続、出版競争に勝つためには、相応の気合いが必要です。

勿論、私たちも全力でサポートしますが、この考えがあれば、必ず成功します。
最近導入されたお客様も、この考えをしっかりお持ちで、スタッフ皆さんの協力体制が素晴らしく、半年たらずで50%コストダウンしたそうです。
その他にも生産力がアップして受注が増えた制作会社さんもいらっしゃいます。
使いよう、考えようによっては、それぐらいの力を秘めているのが、「オンライン自動組版」であり、皆さんの効率化しようと思う潜在的な気持ちを引き出してくれます。

編集・制作の効率化のための基本を抑える

展示会場では、原稿作成から下版までの流れが分かりやすい情報誌向けのデモを展示していましたが、これはWPS.3のひとつの形であり、これがすべてではありません。

・オンラインでいつでもどこからでも入稿を受け付けられる
・原稿情報を入力して、ボタンを押せば、その場で仕上がりが確認できる

これによって得られる効果は何でしょうか。

効果1)原稿は随時システムにあがってきますので、従来のような原稿整理をする必要がない。
効果2)制作への指示、制作の待ち時間、制作後の校正の必要がない。入稿した人が入れた情報がそのまま出てくるからです。

今現在、インターネットに繋がるPCで仕事をしているなら、入稿にあたって特に準備するアプリはありません。
これだけでもものすごい効果があると、今まで編集・制作をされてきた方々は想像していただけると思います。

難しく考えてはいけません。まずは、考えるな、感じろ、です。
それに向かって何ができるか、それを考え、実現するためのベースがWPS.3です。

少なからずこの仕事に従事している方々は、効率化やコスト削減を考えたことがあると思いますが、「うちの案件では無理かな…」「それするとある部署の仕事がなくなっちゃうんだよね…」とか色々な事情を抱えていると思いますので、無理にお薦めはしません。
ただ、社内的に効率化・省力化・コスト削減の声が現状を上回った場合には、是非前述を参考にご検討ください。

ここから宣伝

WPS.3を検討したいということであれば、こちらからお問い合わせ下さい。
その際、ターゲットにしている媒体仕様やPDFを送っていただけると助かります。

また、ニューキャストの制作チームでは、編集・制作の効率化をしたいが、システム導入まではちょっと手が出せないといった方向けに、WPS.3制作パックなるものを提案しています。
これは、制作案件として従来のコスト(ページ単価なのか一式なのか)を教えていただければ、予算的にはまずその範囲で従来通りの成果物(印刷用データ)を納品しつつ、システム的な検証も含めて行っています。その結果をもとに導入するかどうか検討していただければというサービスです。

別世界と思っていても、別世界からの侵略は着々と進んでいます

ビビらそうと思っているわけではないです。
ただ、我々がシステム系にも足を突っ込んでいるで、ソフトウェアハウスやWEB専門企業、またはそういったことに明るい出版社などから、コンテンツのデータベース化の話しがよく聞こえてきます。
もともと彼らには紙というメディアの制約がないので、システム・アプリ開発、もしくは新たな情報サービス提供など、「コンテンツ」を基軸にして色々なことを進められる立ち位置です。
折角、コンテンツというものに毎日のように身近にふれている出版、印刷、制作などの企業が真剣に考えていかないと、根こそぎ持っていかれるか、彼らの出してくるデータを元にしなければいけない、もしくは蚊帳の外、そういったことにならないように、
・データの整理や管理を進める
・編集・制作の効率化を図る
ということを出来るところから進めて行かないといけないと思います。
そのための取り組みがWPS.3でもある、ということをご理解いただければと思います。



2014年2月9日日曜日

page2014-ご来場ありがとうございました。

2月5日に開幕した「page2014」が7日閉幕しました。

JGATの発表によると、来場者数は、
【3日間合計】65,220人(前回64,760人)
だそうです。全体的には変わらずといったところでしょうか。
newcastのブースはカウントしてませんが、自分の感覚でしかないですが1.5倍以上はあった気がします。ありがとうございました。

検版ツールのクラウド版 dproofs?

何度も説明するうちに、立ち寄られた方へ声をかけるときのキャッチコピーになっていました。これは、流れてくる人たちが「あー、検版ツールね」といっていたので、借用したのですが、dproofsは、いわゆる検版ツールとはちょっと違う気がするので、その立ち位置を検証したいと思います。


検版ツールの分類

検版ツールというと今回の展示会でもいくつかあるので分類すると、
1. PDFを解析して比較・検査
2. RIP後のラスターデータを解析して比較・検査
3. 現物をスキャンして比較・検査

どちらかというと、これらのツールはDTPの工程ではなく、色校から後の工程での使用を想定しているものが多いのではないかなと。もしくはその発想を基点にして、前工程のための機能が付いている。

前工程と後工程の「人種」の違い

前工程=DTPと後工程=印刷、と大きく2つに割ってみます。
どこかの会社で話していたことを思い出したのですが、後工程で使っている検査ツールを前工程でも使えば、ミスは減らせると思う、でも、つかわねえんだよな、、、と後工程の方が言ってました。何故使われないのか…
前工程は…
作っては変えての繰り返しでデザイン(データ)を作り上げていく工程の人たちだから、細かく毎回みても、ざっくり消える箇所もあるかもしれないし、そもそもデータ的なチェックをする時間が組み込まれていない。
後工程は…
ミスったら印刷がムダになって多大な損害が目の前にあるので、かなり神経質になってチェックする。
前工程は、データ的なチェックよりも内容が正しいかを重視して、後工程は内容よりも印刷事故を防ぐためにデータ的なチェックを重視する。
しかし、このままでは、後工程でのチェックに比重がかかりすぎるので、前工程で抑えられるところは抑えてくれ、というのが後工程の人たちの意見ではないかと思います。

dproofsで何が抑えられるか

dproofsで検知できるものは、「見た目の違い」です。事故の原因の一つである「見た目は同じでもDTPデータの作り方がおかしい」という部分にはタッチしません。
また、文章がおかしいなども検知しません。あくまで「見た目」です。

  
左)dproofsが生成した差分PDF 右)Acrobatの出力プレビューで違いだけを表示

dproofsは、作業前後のPDFの違いがどこにあるかを発見するだけですが、それだけでミス発生率は下げられます。
それは、日々繰り返される制作・校正の中に潜むミス
・間違えて文字・画像を消してしまった
・知らない間にボックスを触ってずらしてしまっていた
・変わるはずのないところが変わっていた
を検知することで、注意を促し、ミスの発生率を下げることができるからです。
これは、従来の校正では、「まさかそんなことをするはずがない」というのが頭にあるので、全てを見切ることはできません。また、「見た目」の目は「機械の目」であり、疲れによってかすんだり、経験にも左右されません。いつでも同じ結果を教えてくれます。
そして、制作作業と校正は繰り替えさえるものなので、誰でも簡単な操作で日常的にできる、ということも重要です。
一回こっきりの検査ではなく、何回も繰り返される制作作業でストレスなく検査できるツールでなければ、誰も使わなくなります。
dproofsは、こういった従来の事情を抑え、使い続けることで現場をしっかりカバーします。
前工程で抑えられることが増えれば、後工程での負担も減らすことができる、全体的な事故防止に繋がるのではないかと思います。

是非、お試し下さい!!

dproofs.comから新規登録でまずはフリープランでお試しできます。
IEは×なので、FirefoxかChromeでお願いしますm(_ _)m
使い方は、公式にもありますが、以前書いた記事にもありますので参考にしてください。

2014年2月7日金曜日

page2014-2日目終了 本日最終日

おはようございます。

2/5〜7までpage2014に出展しています。
中日の昨日は、またまたPDF差分チェッククラウドサービスの説明やデモを多くの方にさせていただきました。

目指そう!DTP事故ゼロ!!ステッカー、好評です。

その中で、ブースに置いた「dproofsの看板が欲しい」と言う方や、ステッカーを「うちのスタッフに渡すので沢山欲しい」という方がいらっしゃっいました。

<ブースの看板>

<シール>
dproofsの機能については、昨日の記事で紹介したのでここでは書かないですが、どんな試みをしたとしても、やはり「日々の意識」ではないかと思います。もしかしたらソフトウェアやシステムなんかよりも、この事故防止にステッカーが一番効き目があったりしてとか。。。

で、今回は…

オンライン入稿、自動組版でPDFを出力するWPS.3について少々


ブース手前に事例としてユーザー様からいただいた「実際の本」をいくつか置かせていただいています。
前にも書きましたが、newcastが提供しているものは、アプリケーションというわけではなく、ユーザーが本を作るための仕組み。出版という業務を続けられるようにすることが本来提供しているものです。

何度も言ってますが、我が社も写植時代から今でもDTPチームによって印刷物の制作作業が行われていて、「原稿をもらって組版する作業」というのは本質的に変わっていませんが、業界的に「DTPってお金にならない」というのは、もはや定着してしまったのではないかと思います。
予算が絞られる中、編集や制作業務の負荷軽減やコストダウン、時間短縮などは現場を任された人たちの悩みの種になっていると思います。

このような中では、若い人材が育つ環境を作ることも難しく、アナログ時代の方々が引退し、アナログからDTPの切替時代にあったようなエネルギッシュな人材も高齢化していく時代に突入すると、ますますこの部分に真剣に取り組めなくなる=効率化は進まない=企業の業績は伸びない=業界も伸びない=ユーザーのニーズに応えられなくなるというように印刷・出版業界の悪循環はもっとひどい状況になる、ということになりかねないのではと危惧してしまいます。

Webもありますが、メディアとしての印刷物も作られねばというのはまだまだ残る中で、非効率のまま進めていくのは将来性のない仕事となってしまいます。

とか。長い前置きはこれぐらいで。

今回展示デモしているWPS.3では、情報誌がメインとなっていますが、
印刷データが出来上がるまでの工程は、原稿作り(編集)、制作指示、制作、校正といったフローの繰り返しであり、どの印刷物もほぼ変わりません。

WPS以前

WPS.3のユーザーが「WPS以前」「WPS以後」という言葉で、導入前と導入後を表現されていたのでそのまま拝借します。
WPS以前は、1.原稿をとってくる営業、2.制作にわたすための原稿整理をする編集、3.DTP作業者、4.校正担当者(内校)と、4は兼任かもしれませんが、こういった登場人物が必要でした。これは、作業を割って、それぞれが専任でまとめてやる、という発想で、これが限界にきているのが現状です。

これを効率化するにはどうすればいいか。誰でも単純に1の人が全部できればそれで終わる、と考える思います。そのためにはどうするか。

営業がInDesignを使って原稿を作りながらDTPをする?

この場合、各営業さんがInDesignを覚える、各PCにインストールするなど環境作りが大変です。これでは本来の営業業務が停滞してしまいます。
そして、そもそも、1の人が2,3,4の作業をするだけなので、時間的には何も縮まってはいません。また、毎回それぞれのスタッフが作っている状況ではデータ管理がされていないので、混乱してさらに時間がかかります。

エクセルや簡易DBからプラグインやツールを使ってInDesignで自動組版する?

各担当者のPC間でやりとり、あるPCにインストールされたソフトウェアでの作業は、集中化したときに混乱を来しますので生産力の限界値はほぼひとりの能力の範囲となります。またデータと組版が離れた場所にあるので、仕組みとしては不安定さが出てしまいます。

DTPとはそもそも

昔は紙を切って貼ってとかでやっていた版下作業が、パソコン上でできるようになったというのがDTPです。
それは人間が機械に指示をすることで、機械がそれを再現するということです。
しかし、今はあくまでもアナログの手をマウスの手に置き換えただけなので、本来のデジタル化は達成していないと思います。
今の現状を打破するためには、マウスの手を機械への指示に置き換える必要があります。人間的なあいまいな表現ももちろん必要なので全てではないですが、人間がやること機械がやることを棲み分けしてあげれば、効率化が見えてくると思います。

原稿作成者がそのまま組版仕上がりを確認できるWPS.3

WPS.3では、インターネットを使ったオンラインシステムなので、原稿を書く人がいつでもどこでもアクセスして、原稿作成や過去データを検索したり、それを在版として流用したりということができます。さらに、ボタンひとつで自動組版が行われてPDFが出力されます。
前述の1の人ですべて簡潔させられる仕組みとなっているので効率化を図ることができる、ということになります。

WPS.3のねらい

さらに言うと、「データベースを作ろう」となると、結局はある範囲の人、データしか蓄積されずに終わってしまう、変えてしまうということがありますが、WPS.3のねらいは、「印刷物を作る」という今までと同じくやらなければいけないことの入り口を変えるだけなので、データベースを作るという意識ではなく、自然とデータが蓄積されます。そして、結局のところ自動組版が大事なのではなく、データが大事というのが全体的に見えるようになります。こうなれば、「このデータを使ってWEBサイトに流用できるのではないか」「このデータを使って他の販促物をお客様に提案できるのではないか」など、また発想が拡がっていきます。これが効率化の意味であると思います。

ユーザーがずっと使い続けられるように

newcastはシステム屋さんではありません。DTPと開発ができるスタッフがいる会社です。ずっと印刷物を作ってきているので、下版間際の緊張感や、原稿作り、原稿整理の大変さを知っています。
また、アプリケーションとして提供する限り、その監視・管理や、データのバックアップ、機能のブラッシュアップなども勿論セットで考えています。
このようなベースのもとにWPS.3は存在し、newcast自体を表している、もしくはnewcastが目指してきた、目指したい世界が凝縮されていると思います。

お陰様でWPSは10年目に突入しました

2004年に最初のユーザーに導入(今もそのユーザーはお使いいただいています)が、ユーザーからユーザーへの紹介もありながら、バージョンアップを繰り返し、着々と導入数を増やしてきました。ユーザーにシステムを販売するというよりは、サポートさせていただきながら一緒に進んでいくという姿勢でいきたいと思います。

明日大雪とか。。。どうしよう。。。



2014年2月6日木曜日

page2014-1日目終了- dproofsについて解説します

(このブログはオフィシャルではないので、たまに、はみ出したことを言いますので宜しくお願いいたします。)

page2014に今年も出展してます。
newcastは「何やっとるかわからん」という声が多い中、PDFの差分がとれるクラウドサービス「dproofs」は、説明も簡単なので引きが強く、今回ブースに思わず立ち止まってくれた方のほとんどがdproofsに興味を持っていただいているようでした。
page2014のブース風景

なので、まずはdproofsの解説を少々。

今日お話して共感していただいたのは、
DTPオペレーター本人が気付かないうちにミスが発生していて、それが誰にも気付かれず印刷されてしまって大事故、損失に繋がるという経験談でした。

これは全く以て恥ずかしいお話なのですが、
やはりどの会社さんでも「あるある」でした。

制作に関わる方達にとって、これが大きな課題として存在していて、今回のような展示会で、解決できそうなソフトウェアを探している方が多いということも分かりました。

ツンデレ的にいうと、別にdproofsを導入してもらわなくてもいいもん、になってしまいますが、選び方のポイントとして考えて欲しいことがあります。

DTPの現場でミスを抑えたいなら製版や印刷工程用のツールとは別の視点で考える
製版工程、印刷工程のツールはそれようの機能が充実しています。とても有効なツールだと思いますが金額も高級になります。そうではなく、制作・校正の現場で抑えたい、と思うのであれば、自分たちの責任の範疇をよく考えて、そこを守れるものをコストパフォーマンスも考慮しながら絞って探した方がよいと思います。

全員が日常的な制作現場でストレスなく使えること
この人は使える、使えない、このPCではできる、できない、となることは避けた方がよいです。そのうちお蔵入りになります。

データを触る人=DTPオペレーターが自分で使うこと
ミスの出発点は、データを触る人の誤操作です。自分の作業の確認を次の工程に押しつけてはいけません。ついつい校正担当者がいると、そこに頼ってしまう、という流れを日常化してしまうのは、結局非効率にながれていきます。

dproofsも、いわゆる検版ツールになると思いますが、他社さんの製品との違いをここで挙げてみたいと思います。
(dproofsの使い方の公式ページはココ。mkawaが昔解説したものはココにあります。)

1. 今すぐ使えるクラウドサービス

ブラウザからクラウドサービスにログインして使用しますので、特別なソフトウェアをそれぞれのPCにインストールする必要はありません。アカウント登録すれば、すぐに試すことが出来ます。

2. 自社で開発し、自社の制作部でも使っている

このサービスを提供しているニューキャスト自身が2年ほど前から日常的な制作の現場で使い続けていますので、実績と効果をもとにオススメできます。

3. 複雑な機能はあえてつけません

難しい操作、手順が多い操作にしてしまうと、そのうち使われなくなります。実際の制作現場で、誰に対してもストレスなく使われ続けないと導入する意味がありません。なので、事故を減らすためにやることとして、「ブラウザにドラッグして差分をとって確認してね」「差分をダウンロードして確認してね」だけです。

試していただいて、よし、じゃあ現場に導入しよう、これで事故を減らそうじゃないかとなったら、その前に必ずみなさんの現場でやって欲しいことがあります。
それは、
「出稿する前にdproofsを絶対通す」
というルールを作って全員で徹底するという誓いをたててください。

個人で使っても全然構わないのですが、個人の方は自らの意志、自らを守るために利用するということなので、意識が違いますが、
人間は集まってしまうと、まあ今回ぐらいいいかな、あいつもたまに使ってない、というのが少なからず出てきます。

実際、この気持ちが事故の最大の原因だと私は有権者に訴えたい。
そういう現場では、何を導入してもこの課題は解決できません。
dproofsを導入して、救えるミスが救えなかったとき、
これはもう「業務上過失」だと言い切ってもよいのではないか、
それぐらいの緊張感を持ってやらないと制作者としていかん、
とか、思うわけです。

ただ、それも意識統一が一番重要で、当たり前のように使っている状況になればそういう問題も出てこなくなると思います。

自分も制作オペレーターなので、その視点でこのdproofsの本当の意味が何かというと
「作業者を守る」
です。
自分たちに与えられる時間や内容についての理不尽な依頼・要求もある中、それを乗り越えてやってやろうとする制作者の方達が、ちょっとしたミスで痛い目をみるのを何度も目にしてきました。そういった制作者をサポートができればと思います。
dproofsを通して、自分の作業に自信を持って、次の工程に渡せるようになれば、安心して過ごせる時間が少しでも増えるのではないかと期待しています。

ということで「他社製品との違い」は、このようなコンセプト・ポリシーを根底に持っているということではないかと思います。

newcastでも、いくつかの製品やphotoshopのアクション操作や、acrobat標準の文書比較ツールなど使ってみた結果、それぞれいいところはありますが、newcastで使うならこういうのがいいなというのを開発した次第で、今からも「こういうのがあったらいいな」という機能が吟味した上で、付与していきたいと思います。

page2014は、あと二日ありますので、興味があれば是非ブースまで!

こんなステッカーを配ってます。
数に制限があるので無くなるかも…
欲しい方は声かけて下さい。